星を追う子ども
感動度★★★★★
美しくて不思議な雰囲気を放つ、見るからにファンタジーな感じに、ちょっとこそばゆさを感じつつ手に取りました。
観ていてやっぱり感じる止めどないファンタジー感!!中2か!!笑笑
と思いつつも、大人になってもこういう世界や物語に心底ワクワクしてしまう自分はずっと変わらないなと、一人密かに物語に憧れて感動してました。
なんで物語の人たちってこんなにカッコよくて魅力的に感じてしまうんだろう、、
特典映像のインタビューで監督がおっしゃっていた、チームワークの大事さを伝えたり何かしらの良いメッセージを伝えたいという作品ではなくて、ただそれぞれの人が自分の想いに一生懸命生きてる姿を見せたかったという意図について、すごく納得しました。
自分について考えてみても、やっぱり振り返らさせられる。
何が大事か、正解か、大人としての行動か、期待に応えられるか。そうではなくて、自分の想いにただ一生懸命に生きることが自分だけの正解なのだと。
生きているといつのまにか考え方が凝り固まって何かに縛られてしまう。そしてそれに気付かなくなる。
人はやっぱり環境の生き物だからその作用は避けられないけれど、こうゆう作品を見て自分をリセットしていくことはとても大事なんじゃないかなと思った。
そして、密かにファンタジーへめちゃくちゃ憧れてしまう自分にも、なんだか反省。
ファンタジー以外にも日常じゃない何かをいつも求めて、刺激を求めて好奇心を持っていられるのはとても素敵なこと。だけど、今ある日常、親から無事育ててもらってここまでしっかり生きてこられて作られたこの日々のありがたさ、それを感じなくなってしまうのはとてももったいないことだし、与えてきてくれた人達にとって失礼なことだ。
小さくて何も覚えてない頃に、本当は沢山のことをして愛してもらってきたはず。そうして紡がれたこの日常に感謝しなくては。
バケモノの子
感動度★★★★★
普通に面白かった!
細田守監督作品はどれも素敵な話で好きだなぁ。
途中から普通にバケモノの世界と人間の世界を行き来できてる件に感して、そんなんありか!と思いつつ笑
だからこそ人間としての生き方を選ぶかバケモノとしての生き方を選ぶかという選択肢が出てきて、その迷いがこのストーリーの中でのキーポイント。
どちらを選ぶにせよ、九太はコツコツと積み重ねて結果を出していく大人に成長したんだなと思うと、熊鉄と一緒に育ってきた過程は辛かったんじゃなくて、財産!
その彼自身の心の強さと、不器用だけど心はしっかり繋がってお互いを想い合う熊鉄と九太の力が、ラストで発揮されてグッとくる。
みんな心に闇はあるけれど、自分を持って前を向いて周りに感謝して生きていく姿は、やっぱりかっこいい。
不器用でもそうやって生きていきたいものだ。
この世界の片隅に
感動度★★★★★
ずっと気になってはいた作品。
一見、優しいタッチの絵とのんびりした口調のやりとりで、のほほんとした雰囲気。
それでありながら、戦争によって大切な人や物が失われていくことや、自分という人間が歪み変わってしまうこと、敗戦によって信じて頑張ってきたことが無意味になってしまうこと、、そんなことまでしっかり詰まっている。
戦争テーマの作品と言えば、重い雰囲気のものがやはり多かったと思うが、この作品は重いのに明るい。
物は無くなるし辛いことはどうしたって沢山あるけど、よく笑う。置かれた状況の中で楽しみや幸せを見つけている。
「泣いてばかりじゃ塩分がもったいない」って言葉は、当時ならではのなかなかの名言だと思った。
辛いことは胸にしまって前を向いてきたからこそ、復興があって今の豊かさがあるんだなと。その大事な心意気を忘れて弱くなってちゃいけないよなと思う。
周りの人と助け合って愛をもって接して、家族や好きな人といられる日常を幸せに感じて、たまに好きなことをしてその想いに浸る。
そういうことは当たり前で日常で退屈で、私には何にも特別なことがないんだーって思ってしまいがちだけど、毎日の幸せを感じられずにネガティブでいるのも、もったいないんだなと。
考えすぎてひねくれてひがむくらいなら、ただのんびりとした中で笑顔をつくれてる方がずっと幸せかもしれない。
やっぱり目の前の状況をどう思って見出すかで、起きた現象は変わらないけど、自分の気持ちや人生の楽しみ方は変えられる。
怒り
感動度★★★★★
これはどの役者も役者としての力が光っていて、重かったけど胸に残る作品でした。
舞台は3つの場所に分かれていて、果たして身元不明な3人のうち誰が殺人犯なのか?という軸のもと、ストーリーが展開されていく。
お互いのことをあまりよく知らないけれど、その詮索しすぎない感じが、何かが欠けている人達を埋め合うには、程良いのかもしれないと感じる距離感。
それが不確かだけど大切で、でも脆くもあって疑いの心は拭えない...
最終的に殺人犯であってもなくても、相手を信じられなかったという事実はお互いを苦しめる。
なんというか、みんな何かを背負って生きていかなければならないという重苦しさは作品全体に散りばめられていたけど、何でだか嫌じゃなくて引き込まれていったのは役者達の力なのかな、、
男同士の絡みも妻夫木聡と綾野剛だからかなんか普通に色っぽく見えて絵になってたし、広瀬すずのあの透明感から後の強姦シーンもなかなかの迫力で、救いようのなさに普通に苦しくなった。宮崎あおいの唯一心を開けた相手を自分から裏切ってしまった号泣も壮絶だった。
そしてAbemaTVの声だけ天使というドラマに出てて知った一般人っぽい佐久本宝くん?も、君はここの映画に出てたのかい!と笑 なかなか重い大作に出ていて、しっかり演じ切ってて笑った笑
森山未來の気の良い兄ちゃんからの頭おかしい人という見せ方も良かった。
結構重いし、このテーマから何かを学ぶというのは特になかったので、私の好きな考えさせられる映画ではないけれど、引き込まれる映画でした。
役者ってすごいんだなぁと再び。
あとはテーマは暗いけど色彩はどこも綺麗で、そのギャップ感が良かったのかもしれない。
山田孝之のカンヌ映画祭①
感動度★★★★☆
なかなか見ないドキュメンタリー。
山田孝之に興味を持ち始めたこの頃。笑
音楽活動をやってるのも最近知りましたが、この人はこんなことまでやっているのかと。笑
何となく思うのは、多才で才能があるからやってるというより、やりたいからやってみる、全力で、とシンプルに突き進んでいく方なんだろうなぁと。
出来そうで出来ないことだからこういう生き方にやっぱり憧れる。
どこまでが自然な映像なのかは実際分からないけど、とにかく山田孝之が拠点もキャストもスタッフもぐいぐいと決めていって、周りの人間は頭にハテナマーク浮かべながらも何とか理解しようとして意見交わしてる現場が、ぐちゃぐちゃしててそれもまた初期段階の不完全さで良いなと。
よくこの状態でメンバー集まって頑張ってくれることになったなと、進行の無理やりさを見てると感じる気はしますが、、今までの信頼関係の上で、山田孝之の情熱というかやったるでという信念がとにかくこの状況やドキュメンタリーを作らせたんだなと思うと、やっぱりすごい人だなと。
芦田愛菜ちゃんもまだランドセルせおった小学生なのに、ハキハキしてるし周りの空気読みながらやるべきことにしっかり応えてる感がすごくて、さすが芸能界の荒波の中で育ってきている。。
この作品は感動とかよりも、映画製作という未知の世界を覗くことができる、身近に感じられる、という意味でなかなか無いから面白い。
予告犯
感動度★★★☆☆
世の中の不条理に対して、正義という名目の犯罪を行なっていく物語って最近よくあるなと思いつつ。
予告で見た、他の目的ってどういうことなんだろう?と興味を持ったので観てみました。
最終的に色々と回収して、主人公が全部抱えてスッキリしてお亡くなりになる感じが、観ててこちらもスッキリしたかなと笑
こんな言い方どうなんでしょう笑
でもブラック企業では頑張っても認めてもらえない、ハローワークでも掛け合ってもらえない、、レールから少し外れてしまったらもう簡単には戻ることができない、日本の失敗を許さない風土がまず描かれていて風刺的なところが描かれた上に思惑がのっていく感じですね。
物語だけど完全な他人事とは思えないところがあります。
最終的には、主人公の生田斗真演じるゲイツは欲しかった友達を手に入れた上、大切な友達を守って自分の信念のもと自滅したので、警察も彼の思惑通りに動いてくれたし、一見バットエンドだけど嫌な感じがしない終わり方。
でも正しい、正しくないはやっぱり人類にとって永遠の課題なんだなと、先日のデイアンドナイトに続き感じるテーマでした。
あとはキャスティングが個性の違いが出てて何か良かった。暗いテーマだけど、仲間が集まるとなんかほっこりする絆も感じられた。
ラブ&ピース
感動度★★☆☆☆
長谷川博己さんの変貌ぶりがとにかくすごい!!!
最初のコミュ障のいじめられっ子が、本当に可哀想にもイラッとも感じさせる人柄で、これがあの爽やかにCMに出てる俳優さんなのか、、笑??と思わせてくれる、ガチで近付きたくない人を演じてるのがとにかくスゴイ笑
そこから歌自体はちょっと変だけど笑、歌唱力もあってX JAPANみたいな衣装も似合うスターのワイルドリョウ笑✨に変化していく振れ幅が大きすぎる!
カメちゃんやおもちゃ達のシーンはトイストーリーを彷彿とさせる。西田敏行さんのサンタ役は優しさが滲み出るナチュラルさですごく好き。
ステージが変わるに連れて自分のことしか考えず人間性がすっかり変わってしまったけど、初心、支えきてくれた人への感謝を忘れたらあかんよっていうメッセージなのかな。
しょこたんの声やっぱりかわいい。