怒り
感動度★★★★★
これはどの役者も役者としての力が光っていて、重かったけど胸に残る作品でした。
舞台は3つの場所に分かれていて、果たして身元不明な3人のうち誰が殺人犯なのか?という軸のもと、ストーリーが展開されていく。
お互いのことをあまりよく知らないけれど、その詮索しすぎない感じが、何かが欠けている人達を埋め合うには、程良いのかもしれないと感じる距離感。
それが不確かだけど大切で、でも脆くもあって疑いの心は拭えない...
最終的に殺人犯であってもなくても、相手を信じられなかったという事実はお互いを苦しめる。
なんというか、みんな何かを背負って生きていかなければならないという重苦しさは作品全体に散りばめられていたけど、何でだか嫌じゃなくて引き込まれていったのは役者達の力なのかな、、
男同士の絡みも妻夫木聡と綾野剛だからかなんか普通に色っぽく見えて絵になってたし、広瀬すずのあの透明感から後の強姦シーンもなかなかの迫力で、救いようのなさに普通に苦しくなった。宮崎あおいの唯一心を開けた相手を自分から裏切ってしまった号泣も壮絶だった。
そしてAbemaTVの声だけ天使というドラマに出てて知った一般人っぽい佐久本宝くん?も、君はここの映画に出てたのかい!と笑 なかなか重い大作に出ていて、しっかり演じ切ってて笑った笑
森山未來の気の良い兄ちゃんからの頭おかしい人という見せ方も良かった。
結構重いし、このテーマから何かを学ぶというのは特になかったので、私の好きな考えさせられる映画ではないけれど、引き込まれる映画でした。
役者ってすごいんだなぁと再び。
あとはテーマは暗いけど色彩はどこも綺麗で、そのギャップ感が良かったのかもしれない。